1.ヌ-プ硬さ*(HK)
平面研磨されたガラス面に、対稜角が172°30'及び130°の横断面が菱形のダイヤモンド四角錐圧子に0.9807Nの荷重を15秒間かけてくぼみを付け、生じた永久くぼみの長い方の対角線の長さを測定して、次式によりヌ-プ硬さを求めてあります。
ここで、Fは荷重(N)、lはくぼみの長い方の対角線の長さ(mm)です。
注1) | ヌ−プ硬さの単位は、MPaまたはN / mm2となりますが、慣例にしたがい省いてあります。 |
注2) | SI単位を用いた上記の計算式により得られるHK値は、従来のkgf単位を用いた算式により得られるHK値に等しくなっております。 |
注3) | 1N = 1.01972×10-1kgf |
注4) | 測定値と表12により分類した級とを表示してあります。 |
表12 ヌ-プ硬さ(HK)の級
級 | ヌープ硬さ |
---|---|
1 | <150 |
2 | ≧150~<250 |
3 | ≧250~<350 |
4 | ≧350~<450 |
5 | ≧450~<550 |
6 | ≧550~<650 |
7 | ≧650 |
2.摩耗度*(FA)
測定面積が9cm2の試料を、水平に毎分60回転する鋳鉄製平面皿の中心より80mmの定位置に保持し、平均粒径20μmのアルミナ砥粒10gに水20mlを添加したラップ液を5分間一様に供給し、9.807Nの荷重をかけてラップします。ラップ前後の試料質量を秤量して摩耗質量mを求めます。同様にして、日本光学硝子工業会で指定された標準試料(BSC7)の摩耗質量moを測定して、次式により摩耗度(FA)を算出してあります。
ここで、dは試料の比重、doは標準試料(BSC7)の比重です。
言い換えると、BSC7を100とした時の砂かけ磨耗の速さの比となります。
3.弾性率(E、G、μ)
ヤング率(E)、剛性率(G)は、十分アニールされた20×20×100(mm)の試料を恒温室内に置き、5MHzの超音波の縦波速度(Vl)と横波速度(Vs)を測定し、それぞれ次式により、算出します。
測定値は、GPaの単位で表示してあります。
測定の精度は±1%です。
ここで、ρはガラスの密度です。
ポアソン比(μ)は、ヤング率と剛性率から、次式により求めます。
注1)ヤング率及び剛性率は、それぞれ縦弾性係数及び横弾性係数とも呼ばれます。
注2)1GPa = 1.01972×102 kgf / mm2
JIS R1602:1995に準ずる方法により測定し求めてあります。
4.曲げ強さ(σb)
上下面が研磨され、稜にC0.2の面取りがされた幅4×厚さ3×全長40(mm)の試料(試料数、10個)を用い、JIS R 1601:2008に規定される"3点曲げ"試験法により破壊荷重P(N)を測定し、次式により曲げ強さ(σb)を算出してあります。
ここで、Lは支点間距離(mm)、wは試料の幅(mm)、t は試料の厚さ(mm)です。
測定値は、MPaの単位で表示してあります。
注)1Mpa = 1.01972×10-1 kgf / mm2